棒を1点でささえ,そのまわりを自由に回転できるようにしたもの。小さい力で重い物体を動かそうとするときなどに用いられる。てこには回転の中心となる支点と,てこに力をくわえる力点,てこに力を出させる作用点があり,これら3点の位置によって,3つの種類に分けられる。
〔てこの原理〕
1点O(
支点)でささえた
棒の2点A(Oからの
距離l1),B(Oからの
距離l2)にそれぞれ重さ
w1,
w2のおもりをつるす。この
棒が水平になってつりあうのは,
w1l1 =
w2l2のときである。これをてこの原理という。
〔第1種のてこ〕
支点をはさんで,
両側に力点と作用点とがあるてこをいう。うでの長さを大きくすると,小さな力で大きな力をはたらかせることができる。はさみ・ペンチ・くぎ
抜きなどに
利用されている。
〔第2種のてこ〕
支点に対して作用点と力点とが同じ
側にあって,力点より作用点のほうが
支点に近いてこをいう。この
種のてこは,小さな力をくわえて大きな力をだすのに用いられる。カッター・かん切り・せんぬきなどは,これを
利用したものである。
〔第3種のてこ〕
支点に対して作用点と力点とが同じ
側にあって,作用点より力点のほうが
支点に近いてこをいう。この
種のてこは,くわえた力より小さな力しか
得られないが,小さな動きを大きな動きにかえることができる。ピンセット・日本ばさみなどに
利用されている。