秋田県・山形県の旧国名。東山道の1国。国府は秋田城からのちに今の酒田市にうつされ,国分寺ははじめ鶴岡市に,のちに酒田市におかれた。略称「羽州」。陸奥とともに蝦夷に対する最前線であったため,出羽柵をはじめ多くの城柵(とりで)がおかれた。11世紀前半には清原氏の勢力範囲であったが,やがて奥州藤原氏の勢力下に入った。室町時代以降,諸氏の領国に分割され,のち豊臣秀吉がこの地を平定,伊達・蒲生・上杉氏らを封じた。江戸時代には久保田・山形・米沢の3藩のほか,小藩がおかれ,1868(明治1)年に羽前・羽後に分かれた。