脳の神経細胞が過剰に放電することによって起きる,けいれんや意識を失うなどの発作をともなう病気。「癲癇」。脳の一部分の過剰放電による部分発作の場合,放電の部位により手や顔の部分けいれん,聴覚・視覚異常,記憶のフラッシュバックなどさまざまな症状が出る。脳全体におよぶ全般発作の場合は,全身の硬直とけいれん,あわを吹く,意識を失うなどの症状におちいる。原因としては脳の外傷,脳卒中の後遺症などの後天的なものもあるが,出生時の脳のなんらかの損傷や遺伝的な要因など先天的なものも多い。人類の歴史とともに知られてきた病気で,きわだった発作を起こすため,日本では古くから「キツネつき」などといわれ,差別の対象ともなってきた。現在では効き目の確かな抗てんかん剤が開発されていて,服用を続けていれば通常の日常生活をおくるのにはさしさわりはない。