日本国内のJR鉄道網の起点となっている,首都・東京の中央駅。所在地は東京都千代田区丸の内。近代国家日本の中央停車場として構想され,1908(明治41)年建設開始,14(大正3)年完成,営業開始。当時は中央本線・東海道本線の始発駅で山手線の環状開業は1925年である。駅舎は辰野金吾設計の壮麗なルネッサンス様式の建物で,左右に巨大なドームをもち,鉄骨赤レンガ造り3階建て,延べ床面積約2万3900m2,正面左右長約335m。駅舎内には東京ステーションホテルも併設された。1923(大正12)年の関東大震災では被害を受けなかったが,太平洋戦争末期の1945(昭和20)年5月の空襲により左右ドームと3階部分が炎上,47年にドーム部分を八角屋根にした2階建て駅舎として再建された。54年,八重洲口新駅舎完成。2014年現在,東海道・東北・上越ほかの新幹線をはじめ,東海道・中央本線,総武線,山手線などのJR各線のホームは地上に23番線,地下に8番線,日本最大の,文字どおり日本の表玄関の中央駅である。◇丸の内駅舎は2003(平成15)年に国の重要文化財に指定され,これを契機として2007年,保存・復原工事に着手,2012年10月,ドームを内装にわたって復原,駅舎を3階建て構造にもどしたかたちで工事は完了し,創建時のすがたをとりもどした。