全長約77cm。とき色(淡紅色)の美しい羽毛をもつため,この名がある。春から夏の繁殖期にかけては,おす・めすともに上半身の羽毛が,薄墨色から黒灰色にかわる。この色がわりは,頸側部から分泌される色素をくちばしで羽毛にこすりつけることによっておこる。トキだけに知られる特異な羽毛変化である。日本では,明治初期に各地でごくふつうに見られたが,乱獲や生息環境の悪化などにより急激に数をへらした。日本産のトキは,佐渡トキ保護センターに保護されていた最後の1羽が2003年に死亡して,絶滅した。しかし1999年1月に中国からおくられたつがいが産卵し,待望のひなが誕生,優優と名づけられた。以降,次々とひなが誕生しており,野生復帰も試みられている。(鳥類 ペリカン目 トキ科)