(1863〜1957)明治・大正・昭和時代の評論家・ジャーナリスト。熊本県生まれ。本名は猪一郎。小説家徳冨蘆花の兄。1887(明治20)年,民友社を設立,総合雑誌『国民之友』を発行,政府の欧化主義を批判して平民主義をとなえる。日清戦争前後から,皇室中心の国家主義に転向,人道主義に立つ弟と不和となった。1943(昭和18)年文化勲章を受章するが,1946(昭和21)年,すべての公職を退くとともに返上した。主著に,1918(大正7)年から1962(昭和37)年まで刊行しつづけた『近世日本国民史』がある。