とくながすなお【徳永直】 (1899〜1958)大正・昭和時代の小説(しょうせつ)家。熊本(くまもと)県に生まれる。小学校を中退(ちゅうたい)し,さまざまな仕事についたが,その間に社会主義(しゅぎ)に興味(きょうみ)をもち,労働(ろうどう)運動に参加(さんか)。のち東京(とうきょう)に出て博文館印刷所(はくぶんかんいんさつじょ)(今の共同印刷(きょうどういんさつ))につとめ,1926(大正15)年の争議(そうぎ)の体験(たいけん)をもとに書いた『太陽のない街(まち)』で,労働(ろうどう)者の立場に立つプロレタリア文学の作家としてみとめられた。第二次世界大戦(たいせん)後は民主主義(みんしゅしゅぎ)文学の代表作の1つとされる『妻(つま)よねむれ』『静(しず)かなる山々』などを書いた。