とししゅん【杜子春】 芥川龍之介(あくたがわりゅうのすけ)の童話。1920(大正9)年発表。杜子春(とししゅん)は,町で会った老人(ろうじん)に3度大金をめぐまれる。そのたびに,金のある間はよりつくが,なくなると見むきもしない人間の薄情(はくじょう)さに愛想(あいそう)をつかし,老人(ろうじん)に仙人(せんにん)になる術(じゅつ)をさずけてほしいとたのむ。しかし,肉親への愛情(あいじょう)をたつことができず,まずしくとも正直なくらしをねがうようになる。◇中国,唐(とう)代の神仙小説(しんせんしょうせつ)(神通力のある仙人(せんにん)を中心にした小説(しょうせつ))に取材(しゅざい)した作品。