県名の由来
最初に県庁がおかれた栃木町の名をとった。栃木町には古くからトチノキがしげっていたことが地名の由来とされている。
県庁所在地
県の面積
県の人口
県の代表的な伝統工芸品と祭り
〔伝統工芸品〕
○結城つむぎ ○益子焼
〔祭り〕
○東照宮春季渡御祭(日光市,5月17〜18日)
位置・地形・気候
栃木県は,関東地方の北部に位置する内陸県で,関東地方で最も広い面積をもつ。
県の北部から西部にかけては,那須・日光・足尾山地の山々が,東部には八溝山地の山なみがつらなる。これらの山々にかこまれて,中央部から南部にかけては関東平野の一部をなす平地が広がり,那珂川・鬼怒川・渡良瀬川の3つの大きな川が流れている。
気候は,全般に夏と冬の気温差が大きい内陸型の気候である。冬にふく,乾燥した北西の季節風,いわゆるからっ風と,夏にしばしば発生する雷は,栃木県の気候の特色となっている。
歴史
昔は下野国といった。奈良時代には国府がいまの栃木市におかれた。鎌倉時代には,足利氏・宇都宮氏・小山氏などが勢力をふるい,室町時代には幕府が関東地方をおさめるためにおいた鎌倉府の管轄のもとにおかれた。15世紀中ごろにつくられた,中世唯一の学校である足利学校は明治の初めまでつづいた。江戸時代には,日光に東照宮がつくられ,直轄地や旗本領のほか,宇都宮藩など中小藩が分立しておかれた。日光街道や奥州街道が整備され,16世紀末には足尾銅山が開発された。また,足利などでは絹織物業が発達した。
明治になって,廃藩置県で栃木県と宇都宮県ができたが,1876(明治9)年,統合されて現在の栃木県が成立した。
産業
耕地面積の80%近くが水田で,その割合は関東地方で最も大きい。米の生産量は全国8位である(2010年)。最近は,東北自動車道など交通網の発達により,首都圏向けの野菜・花などの栽培や畜産もさかんになっており,とくに日光地方を中心に,イチゴの生産がたいへんさかんで,生産量は全国1位である。畜産は那須野原などでさかんで,なかでも生乳の生産量は,北海道についで全国2位である(2009年)。
交通網の発達にともなって,工業も大きく発展している。東北自動車道にそった宇都宮市・大田原市・矢板市・小山市などを中心に,電気機器・輸送機械などの工業がさかんで,多くの工業団地がつくられている。
伝統産業の足利市の絹織物,益子町の益子焼などもある。
国際的な観光地日光
日光国立公園の中心日光は,東京から鉄道で約2時間で行ける位置にあり,日帰り観光も可能で,年中,多くの観光客でにぎわっている。
日本には29の国立公園があるが,日光国立公園は最も早い時期に指定され,観光道路なども早くから整備された。
観光地としての日光の特徴は,首都圏からの交通の便利さにくわえて,歴史ある人工の美と自然の美しさが調和していることである。東照宮・輪王寺などの技術の粋を集めた華麗な人工の美と,男体山など2000m級の山々にかこまれた中禅寺湖などの湖や,華厳滝・戦場ヶ原などがつくりだす自然の美とがみごとに調和していて,おとずれる多くの人々を楽しませる。
東照宮は,江戸幕府を開いた徳川家康をまつった社で,1636年に完成された。東照宮周辺の杉木立や,日光へ通じる杉並木も貴重な歴史的遺産である。東照宮など日光の社寺は世界文化遺産に登録されている。
日光は,外国人観光客の多さでもきわだっており,日本を代表する国際観光地である。