県名の由来
鎌倉時代から現在の富山市の地に外山郷があり,富山城,富山藩とひきつがれてきた地名を県名に採用した。
県庁所在地
県の面積
県の人口
県の代表的な伝統工芸品と祭り
〔伝統工芸品〕
○高岡銅器 ○高岡漆器 ○井波彫刻 ○越中和紙 ○庄川挽物木地
〔祭り〕
○高岡御車山(高岡市,5月1日)
位置・地形・気候
富山県は,中部地方の北部,北陸のほぼ中央に位置し,富山湾に面している。
東部には,標高3000m級の山々がそびえる飛騨山脈,南部には1000m前後の飛騨高地と両白山地があり,西部には300mぐらいの丘陵地帯がある。
山地からは,黒部川・常願寺川・神通川・庄川・小矢部川などが富山湾に流れ出ており,下流に富山平野が開けている。川はいずれも急流で,水量も豊富なので,上流は日本有数の水力発電の電源地帯となっている。
気候は,典型的な日本海側の気候で,冬は日本海からふきつける季節風の影響で雪が多く,たいへん寒い。また,春から夏にかけてフェーン現象で異常な高温になることがある。
歴史
奈良時代のころから越中国とよばれ,現在の高岡市に国府と国分寺があった。万葉の歌人大伴家持も国司となっている。鎌倉時代は比企氏・名越氏が,室町時代は畠山氏が守護としておさめた。
江戸時代には,金沢藩(前田氏)の一部となり,現在の富山市を中心とする地域には,金沢藩の支藩として富山藩がおかれた。
明治になって,富山県・新川県ができたのち,一時石川県に統合され,1883(明治16)年にまた分離して,現在の富山県が成立。
産業
富山平野は典型的な水田単作地帯で,耕地面積にしめる水田の割合は全国最高の約96%,米の生産額は農業全体の70%をこえる。米のほかには,チューリップの球根栽培がさかんである。
水産業は,昔から,定置網による沿岸漁業がさかんで,イワシ・アジ・サバ・ブリ・タラ・イカ・カニなどが水揚げされる。ホタルイカは特産物になっている。
工業は,安価な電力と豊富な工業用水,港湾にめぐまれて発達してきた。富山市・高岡市を中心に,銅器・鉄鋼・アルミ建材などを生産する金属工業,薬品や肥料などの化学工業などがさかんである。最近は,電子機器や新素材などの新しい工業も見られる。
東部の中部山岳国立公園の山岳は有数の観光地で,観光産業も活発である。なかでも,長野県大町市と富山市をむすぶ立山黒部アルペンルートは有名である。
砺波平野の散村(散居村)とチューリップ栽培
富山県の庄川扇状地に広がる砺波平野は,島根県の出雲平野とともに,散村とよばれる集落が発達していることで知られている。
みごとな屋敷林にかこまれた一軒家が,100〜200mぐらいずつはなれて,ちりぢりに建ち,それぞれの農家は,家のまわりに各自の水田をもつ。散村のおこりは,扇状地の水田は水もちが悪いので,1日に何度も水を入れる必要があり,家のまわりに水田があったほうが都合がよかったためと考えられる。
砺波平野のもう1つの特色は,チューリップの球根栽培である。チューリップの球根栽培は,水田の裏作として,昭和の初めごろから行われてきた。すずしい気候や扇状地の砂質土壌はチューリップの球根栽培にあっていて,年々さかんになり,日本一の球根産地となった。
球根は日本各地に送られるだけでなく,アメリカ合衆国をはじめ,世界各国に輸出される。5月はじめに開かれるチューリップフェアには,多くの観光客がおとずれる。