(1900〜1962)大正〜昭和時代の物理学者,雪の研究家,随筆家。石川県の温泉町片山津(現在の加賀市)に生まれる。東京帝国大学(現在の東京大学)理学部物理学科に入学し,物理学者の寺田寅彦に師事する。卒業後はその助手となって電気火花の研究をおこない,イギリス留学などを経て,北海道大学教授に就任し,雪の結晶の研究を始める。1936年には,世界で初めて人工雪をつくることに成功した。また,雪の結晶を顕微鏡写真にとり,気象条件によってどのような形の結晶になるかを図表に示した「中谷ダイヤグラム」を発表した。その後,活動範囲を世界に広げ,アメリカの雪氷永久凍土研究所の主任研究員に就任。グリーンランドへの遠征隊にも参加した。『冬の華』,『雪』などの随筆でも知られ,「雪は天から送られた手紙である」との名言をのこしている。◇石川県加賀市に,「中谷宇吉郎 雪の科学館」がある。