ながやまきじゅん【永山基準】

殺人(さつじん）・強盗殺人(ごうとうさつじん）の罪(つみ）を問う刑事裁判(けいじさいばん）で，被告(ひこく）に死刑(しけい）の判決(はんけつ）をくだすための目安とされる基準(きじゅん）。1968（昭和43）年に4人を殺害(さつがい）する事件(じけん）を起こした永山則夫被告(ながやまのりおひこく）に対して，1983（昭和58）年に最高裁判所(さいこうさいばんしょ）が死刑(しけい）の判決(はんけつ）を言い渡(わた）すさいに示(しめ）した9つの判断要素(はんだんようそ）で，(1)犯行(はんこう）の罪質(ざいしつ），(2)動機(どうき），(3)犯行(はんこう）の様態(ようたい）（執拗(しつよう）さや残虐性(ざんぎゃくせい）など），(4)結果(けっか）の重大性(じゅうだいせい）（殺害(さつがい）された被害者(ひがいしゃ）の数など），(5)遺族(いぞく）の被害感情(ひがいかんじょう），(6)社会的影響(てきえいきょう），(7)被告(ひこく）の年齢(ねんれい），(8)前科，(9)犯行後(はんこうご）の情状(じょうじょう）。この9点を総合的(そうごうてき）に判断(はんだん）して，「やむをえない」と考えられるとき死刑(しけい）の選択(せんたく）が許(ゆる）されるとしている。⇒死刑(しけい）