16〜17世紀ごろ,キリスト教の伝来とともにヨーロッパからつたえられた文化。
ヨーロッパ伝来の文化
室町時代の末から江戸時代の初めにかけてさかえた文化で,キリシタン文化ともよばれる。カトリックのイエズス会によるキリスト教の色彩が強く,それまでの日本の文化とはまったく異質のため,宗教・学問・技術・美術・風俗などあらゆるものが関心をもたれ,受け入れられた。しかし,キリスト教の禁教以後は,あとを絶たれ,異国趣味としてのこるにすぎない。
文化の内容
多くの宣教師が来日して宗教文学や宗教画をつたえ,各地に教会や宣教師養成の学校,養老院(現在の介護施設),病院などをたてた。天文学・医学・地理学などがつたわり,地球儀・世界地図・太陽暦・望遠鏡・時計,航海術や造船技術ももたらされた。活字印刷がつたわって,ローマ字で『伊曽保(イソップ)物語』や『平家物語』が印刷され,キリシタン版とよばれた。◇当時つたえられたポルトガル語(カステラ・パン・タバコなど)やスペイン語(メリヤス・ズックなど)の中には日本語化したものも多い。⇒南蛮船