県名の由来
新潟とは,砂州によって新しく形成された潟湖のことである。県名は県庁が新潟町におかれたことからつけられた。
県庁所在地
県の面積
県の人口
県の代表的な伝統工芸品と祭り
〔伝統工芸品〕
○小千谷つむぎ ○小千谷ちぢみ ○塩沢つむぎ ○本塩沢 ○村上木彫り堆朱
〔祭り〕
○弥彦灯籠神事(弥彦村,7月25日)
位置・地形・気候
新潟県は中部地方の北東部に位置し,日本海に面して北東から南西にのびている。日本海には,佐渡島と粟島がある。
北の山形県との境には朝日山地が,東の福島県や群馬県との境には越後山脈がそびえ,南の長野県との境には妙高連峰がつらなっている。さらに,西の富山県との境には,飛騨山脈の北のはしが日本海に向かってのび,親不知の断崖をつくっている。
県の中央部の海岸地域に大きく広がる越後平野は,信濃川と阿賀野川が運んできた土砂が積もってできた平野である。また,荒川の下流には高田平野がある。
海岸線は単調で,砂丘がつづいている。
気候は,典型的な日本海側の気候で,日本一の豪雪地帯である。夏の気温は高く,春から夏にかけてフェーン現象もおきる。
歴史
昔は越後国といった。鎌倉時代には比企氏・佐々木氏・名越氏が,室町時代には上杉氏が守護として統治し,戦国時代には上杉謙信が現在の富山県や石川県までを支配した。江戸時代になると,上杉氏は米沢藩(山形県)にうつされ,越後は高田藩など11の小藩に分割された。佐渡は幕府直轄地となった。
明治の廃藩置県によって,佐渡県もふくめて12の県が成立したが,のちに統合され,さらに1886(明治19)年に福島県だった蒲原郡を合併して,現在の新潟県が成立した。
産業
積雪期間が長いため,裏作のむずかしい水田単作地帯であり,越後平野を中心とした米の生産量は全国第1位(2010年)である。米の生産額は農業全体の3分の2以上をしめる。海岸の砂丘地では,スイカ・ナシ・タバコのほか,チューリップなどの球根栽培がさかんである。
日本海ぞいの平野部と海底油田からは,少量ではあるが,石油と天然ガスが産出される。
工業は,石油化学工業と金属工業が中心で,新潟市に製油・化学・食品工業,上越市に化学・鉄鋼・非鉄金属,長岡市・妙高市に電子工業がある。このほか,燕市の洋食器や三条市の刃物生産は,古くからの地場産業である。
また,小千谷ちぢみ,長岡市・三条市の仏壇,村上市の木彫り堆朱など,国の指定を受けた伝統的工芸品も多い。
日本海側の玄関新潟市
日本海に面して位置する新潟市は,ロシアや韓国の都市と,航空機や船でむすばれている。日本海をはさんで向かい合っているこれらの国の諸都市は,21世紀をむかえ,よりいっそうの経済協力を進めていこうとしている。この動きは環日本海構想とよばれる。
新潟市と海外とのつながりは,1868(明治1)年に新潟港が開港したことにさかのぼる。現在では,新潟港からは韓国の釜山,中国の大連,東南アジア諸国への航路が開通しており,海上貿易の日本海側の拠点となってきている。
空の便は,1973(昭和48)年に新潟空港からロシアのハバロフスクへの国際定期路線が開通したことに始まる。その後,韓国のソウル,ロシアのイルクーツク・ウラジオストクへの定期路線も開通した。中国・東南アジア・ハワイなどへは,チャーター便が就航し,いまでは,新潟空港は日本海側の国際的な空の玄関となっている。
また新潟市は,ロシアのハバロフスク市や中国のハルビン市などと姉妹・友好都市となって,さまざまな交流を深めている。