1937(昭和12)年に始まった日本と中国との戦争。宣戦布告をしないまま拡大したので,日華事変ともいう。
中国情勢
満州事変以後,満州(今の中国東北区)を支配した日本は,さらに華北への侵略をはかった。これに対して,内戦をつづけていた毛沢東らの中国共産党は,蔣介石らの国民政府に内戦の停止をよびかけ,抗日統一の機運が高まってきた。
長びく戦争
1937年7月,北京郊外の盧溝橋で日中両軍が衝突し,日中戦争が始まった。近衛文麿内閣は,最初,戦争不拡大の方針をとったが,軍部はこれを無視して,首都南京を占領し,戦線は華中から華南にも広がった。中国共産党と国民政府は抗日民族統一戦線を結成し,国民政府は重慶にうつって,徹底抗戦をとなえた。アメリカ・イギリスなどは中国を援助し,戦争は長期化していった。日本は1938(昭和13)年に国家総動員法を制定するなどして,戦時体制を強化したが,戦争は解決のつかないまま泥沼化し,1941(昭和16)年の太平洋戦争へと突入し,1945年,結局日本の敗北に終わった。
年代暗記
日中戦争が始まる…いくさ長(1937)びく日中戦争