高齢による脳血管障害やアルツハイマー病などによって,知能低下・記憶障害・人格障害・感情障害などの認知能力障害がおきる症状。本来ならば「認知障害症」といわなければならないが,2004(平成16)年からそれまでの「痴呆」という名称にかわって使われることになった。老化による単なるもの忘れとは異なり,自分の年齢や身近な人間関係(子どもなど)がわからないといった記憶障害,話すことやものを書くことや日常動作ができないといった認知機能障害がおもな症状で,幻覚や妄想,はいかい,異常食行動,抑うつ,暴言暴力といった症状をともなうこともある。いくつかの病気が原因の場合は治療が可能だが,そのほかは早期発見によって進行をおさえることしかできない。