ぬひ【奴婢】 古代律令制(りつりょうせい)のもとで,支配(しはい)者から賤民(せんみん)とされた人々のこと。奴(ぬ)は男子を,婢(ひ)は女子をいう。奴隷(どれい)に等しい人々で,人格(じんかく)をみとめられず,売買やゆずりわたしの対象(たいしょう)にされ,一般(いっぱん)人との結婚(けっこん)も禁(きん)じられていた。官有(かんゆう)の公奴婢(くぬひ)と私有(しゆう)の私奴婢(しぬひ)のほか,寺奴婢(ぬひ)・神奴婢(ぬひ)などがあり,大化(たいか)の改新(かいしん)以前(いぜん)から存在(そんざい)したが,平安時代には一般(いっぱん)人との結婚(けっこん)もゆるされ,しだいにすがたを消した。