(1935〜 )有機化学者。旧満州(中国東北部)生まれ。東京大学卒業後,化学繊維メーカーで働いたのち,アメリカのパデュー大学のブラウン教授のもとで研究を行う。1976〜77年,R.ヘックが開発した有機化合物の合成にパラジウムの触媒を用いる「ヘック反応」を有機化合物の炭素どうしを結びつける「クロスカップリング反応」に応用,「根岸カップリング」を開発した。1979年にパデュー大学教授に就任,現在同大学特別教授。2010年,R.ヘック,鈴木章とともにノーベル化学賞受賞。同年,文化勲章も受章。⇒有機化合物