はげしい熱運動の結果おこる原子核間の反応。原子核の間には正の電荷による静電的な斥力が作用するため,原子核どうしを接近させてそれらの間に反応をおこさせるには,この斥力にうちかつだけの十分高いエネルギーを原子核にあたえることが必要になる。たとえば,高温で高密度の原子核は,熱運動による大きい運動エネルギーによってたがいに反応をおこすことができる。◇太陽やその他の恒星においては,このような状況が実現されていると考えられる。地上でも高温高密度のプラズマ状態をつくり,熱核反応をおこさせ,エネルギーを得る研究が行われている。