トウモロコシやサトウキビ,木材,古紙など,生物資源からつくられるエタノール(エチルアルコール)。植物は大気中から二酸化炭素をとりこむから,その植物からつくったエタノールを燃焼させても,排出される二酸化炭素量は差し引きゼロとみなされ,温室効果ガス削減の効果が期待されている。エタノールを燃料にする自動車,ガソリンとエタノール混合燃料の自動車の実用化が急速に進んでいる。◇近年の原油不足,高騰にともなって急激に需要がのびているバイオエタノールだが,木材や古紙からの製造はコスト高で,原料は圧倒的にトウモロコシやサトウキビのため,世界の食料供給のバランスをくずすおそれや,急激な農地開発による環境破壊の心配が生じてきている。