奈良県桜井市にある,古墳時代最初期のものとみられる前方後円墳。箸中山古墳ともいう。全長278m,高さ約30m,発掘調査により周囲に幅約10mの堀があったことが確認されている。3世紀前半の築造と推定され,第7代孝霊天皇の皇女,倭迹迹日百襲姫命大市の墓として宮内庁が管理しているが,邪馬台国の卑弥呼の墓と推定する研究者も多い。◇箸墓古墳は,巨大水路や掘立柱建物群,祭祀遺跡などが発見された纏向遺跡の一部で,周辺は大規模な集落が営まれた可能性が高い。また,以前は古墳築造が3世紀後半から4世紀前半と思われていたものが,2009(平成21)年5月,炭素年代測定法によって240〜260年の築造という研究発表があり,卑弥呼の死(248年ごろ)とかさなることから,箸墓を卑弥呼の墓,纏向遺跡周辺を邪馬台国の所在地とする説もある。