はな【鼻<作品>】 芥川龍之介(あくたがわりゅうのすけ)の短編小説(たんぺんしょうせつ)。1916(大正5)年に発表され,夏目漱石(なつめそうせき)の激賞(げきしょう)を受けた。主人公の僧(そう),禅智内供(ぜんちないぐ)は,あごの下までたれさがる長い鼻を気に病んでいるが,そのことを人に知られまいとしていろいろ苦心をする。さとりきれない主人公の心の動きを通して,人間のあわれさやおかしみをえがいた。◇題材(だいざい)は『今昔物語集(こんじゃくものがたりしゅう)』の「鼻を持ちあげて朝粥(あさがゆ)を食う話」から。