中世以来のヨーロッパで権勢をほこった由緒ある名門の王家。北スイスからおこり,1273年,ルドルフ1世が神聖ローマ帝国皇帝となって ,オーストリアとシュタイエルマルクを領有した。1438年にアルバート2世が即位して以後は,ハプスブルグ家は事実上,神聖ローマ帝国の皇帝位を独占した。16世紀には,各国の王家との結婚によりブルグンド・ネーデルラント・ハンガリー・ボヘミアを次々に領有し,カール5世のとき,スペイン王をかねてヨーロッパ最大の勢力となった。1806年神聖ローマ帝国は解体したが,それ以後はオーストリア皇帝を称することになる。そして,第一次世界大戦後の1918年,最後の皇帝カール1世はオーストリア=ハンガリー二重帝国の崩壊とともに退位し,7世紀にわたるハプスブルク王家の歴史も幕を下ろすこととなった。