著作物やコンピュータソフト,映像作品,発明などの知的創作物について,著作権をはじめとする知的財産権(知的所有権)が生じない状態,または消滅した状態にあることを意味する言葉。日本語では「公有」「公共に帰した」と訳される。たとえば,著作物についていえば,著作者の没後50年(国によっては70年)で著作権は消滅し,出版や転載,ネットワーク上での公開は自由になるが,それで「パブリックドメイン」に帰したかといえば必ずしも一概にはそうとはいえない。知的財産権には著作権のほかにも,著作者人格権,意匠権,商標権,肖像権,出版権,編集権,所蔵権などさまざまなものがあり,いずれかが権利として存続している場合もあり,またその法解釈もさまざまである。また,コンピュータネットワーク上で公開されている利用自由の無料ソフトウェア(フリーソフト)を「パブリック・ドメイン・ソフトウェア」とよぶこともあるが,著作権が存在したり,著作権行使を行わないだけの場合もあり,それは「パブリックドメイン」であるとはいえないのである。⇒著作権,知的所有権