脳がスポンジ状になり運動障害をおこし,死にいたる牛の病気。正式には牛海綿状脳症(BSE)という。プリオンとよばれるタンパク質の一種の異常型が病原体で,肉骨粉などの病牛の部位を使用した飼料から感染する危険性が高い。人間の,クロイツフェルト=ヤコブ病をひきおこすプリオンも同じものと確認されているが,病牛を食べて感染するかどうかははっきりわかっていない。また,プリオン自体は生命をもたないので,動物どうしの感染の可能性についてはいまだ不明である。1982年に発見され,1996年春,イギリスで発生して世界中に騒ぎは広がり,2001(平成13)年9月,日本でも初めて発症が確認された。