2011（平成23）年3月11日14時46分に発生した，東北地方太平洋沖地震によってもたらされた災害。東北地方太平洋沖地震は，三陸沖約130km，深さ約24kmを震源に，太平洋沖南北500kmを震源域とするプレート境界域に発生した海溝型の巨大地震で，マグニチュード9．0は国内観測史上最大。最大震度は宮城県栗原市の震度7で，東北から関東地方各県にわたり震度6前後と広い範囲ではげしいゆれを感じた。地震は北海道から千葉県にいたる太平洋岸に大規模津波をもたらし，岩手県三陸部・宮城県・福島県浜通りでは8〜9mの津波高を観測，地形によっては10〜30mの遡上高となり（最大遡上高は宮古市の40．5m），沿岸部および内陸6kmまでを大津波が襲った。地震による家屋倒壊・被害は比較的少なかったと推定されるが，その後の津波によって根こそぎ破壊・流失された。死者・行方不明者は約1万8500人（2014年3月10日現在），死者の90％以上は水死と確認されている。鉄道・道路・上下水道などのライフラインの被害も甚大。また，余震・誘発地震も頻発したほか，各地での地盤沈下・地すべり・液状化現象でも大きな被害が出ている。◇福島県双葉郡の東京電力福島第一原子力発電所は10m超の津波に襲われ，すべての電源系統を喪失。炉心冷却ができなくなり，炉心溶融，水素爆発というレベル7（国際原子力事象評価尺度）の大事故をひき起こした。放射性物質を広範囲にまき散らし，汚染は各地に広がっている。周辺自治体からの避難者は12万人（最大時，推定）におよんだ。⇒東北地方太平洋沖地震
