(1872〜1896)明治時代の小説家。本名奈津。東京に生まれる。小さいときから抜群の学業成績をあげ,15歳で和歌を中島歌子に学ぶが,兄や父がつづいてなくなり,18歳で一家をやしなう責任をせおった。苦しい生活のなかで小説家をこころざし,半井桃水(朝日新聞の小説記者)に小説を学んで,習作などを発表したが,『文学界』に発表した『たけくらべ』で一躍有名になった。ほかに『にごりえ』『十三夜』『大つごもり』などを発表。しかし肺結核がしだいに進行し,25歳でこの世を去った。◇現在の5000円紙幣に肖像が印刷されている。