(1899〜1980)イギリスの映画監督・プロデューサー。ロンドンで青果商の次男として生まれる。寄宿学校卒業後,企業の広告デザイナーになるが写真技術に興味をもち,ロンドンの映画会社に入社,タイトルデザインの制作を行う。すすめられて1925年,はじめて映画の監督をする。26年,生涯の最大の協力者となる助監督・脚本家のアルマ=レヴィルと結婚。35年の『三十九夜』,38年の『バルカン超特急』で成功をおさめ,アメリカ映画界から注目され,監督依頼をうけて39年渡米,翌40年の『レベッカ』でアカデミー作品賞を受賞。以降,アメリカを活動の拠点として,『断崖』(41年),『見知らぬ乗客』(51年),『裏窓』(54年),『めまい』(58年),『サイコ』(60年),『鳥』(63年)など,つぎつぎとサスペンス映画の傑作を発表。テレビでも「ヒッチコック劇場」(55〜62年)を監修,本人が案内役として登場し,日本でも放映されてお茶の間の人気を集めた。76年の『ファミリー・プロット』が最後の監督作品となった。