ひとがえし【人返し】 江戸(えど)時代後期,農村から都市に出てきた農民(のうみん)を村に帰した政策(せいさく)。生活に苦しみ農村から都市に出てくる農民(のうみん)が増加(ぞうか)したため,田畑があれて生産(せいさん)が減少(げんしょう)した。そこで,松平定信(まつだいらさだのぶ)は寛政(かんせい)の改革(かいかく)で帰農を奨励(しょうれい)し,水野忠邦(みずのただくに)は天保(てんぽう)の改革(かいかく)で人返しの法(ほう)を発して農民(のうみん)が江戸(えど)の戸籍(こせき)に入ることを禁(きん)じ,また,出かせぎの期限(きげん)をもうけるなどして農村の再建(さいけん)をはかった。しかし,あまり効果(こうか)はなかった。