フィリピンのルソン島,マニラの北西100kmにある標高1745mの火山。1991年4月2日,635年ぶりに噴火しはじめ,15日にははげしい爆発的噴火がおこり,噴煙柱の高さは40kmに達した。マニラにも火山灰がふり,日中でも暗くなった。火砕流が発生し,のちに多量の雨がふったため泥流が生じた。20世紀最大の噴火といわれ,死者722人,家をうしなった人20万人におよんだ。大噴火にもかかわらず犠牲者が少なかったのは,フィリピン火山研究所がだした避難命令に住民がしたがったためである。◇成層圏までふきあげられた火山灰は上空にただよい,日射をさえぎり,一部は沖縄にもふりそそいだ。