県名の由来
県庁が兵庫(現在の神戸市)におかれたことによる。大化の改新の際,須磨の関をまもるため,武器をおさめる倉=兵庫がつくられたのが起源といわれる。
県庁所在地
県の面積
県の人口
県の代表的な伝統工芸品と祭り
〔伝統工芸品〕
○丹波立杭焼 ○出石焼 ○播州そろばん ○播州毛鉤
〔祭り〕
○けんか祭り(姫路市,10月14日〜15日)
位置・地形・気候
兵庫県は近畿地方の西部に位置し,北は日本海,南は瀬戸内海に面している。日本標準時をきめる東経135度の子午線が,明石市を通っている。
県の北部は中国山地が海のすぐそばまでせまっている。中央部には標高1000mあまりのなだらかな山地が広がり,日本海に流れ出る円山川ぞいに豊岡盆地,東部に篠山盆地がある。瀬戸内海側には,千種川・揖保川・市川・加古川などが流れる播磨平野が東西に広がる。瀬戸内海に淡路島がある。
気候は,日本海側と中央の山地,瀬戸内海側で異なる。日本海側は,冬,日本海からふきつける季節風の影響で雪が多い。中央の山地は,夏はすずしく,冬は寒さがきびしい。瀬戸内海側は,1年中温暖で雨の少ない,瀬戸内の気候である。
歴史
昔の摂津国の西側と,丹波国の西側,播磨国・但馬国・淡路国にあたる。都と山陽・山陰地方とをむすぶ道すじに位置していたため,早くから開けた地域である。
平安時代末期,平清盛によって修築された兵庫津は,室町時代末期まで,中国(宋・明)との貿易港としてさかえた。江戸時代には,姫路・明石藩など多くの藩に分けられ,各地に城下町が発達した。
明治初めの廃藩置県で兵庫県など13県が成立,その後兵庫・飾磨・豊岡の3県に統合され,さらに,1876(明治9)年に3県が合併して,いまの兵庫県ができた。
産業
近畿地方では最も農業のさかんな県で,米,野菜や花,畜産がそれぞれ農業生産額の約3分の1ずつをしめている。米の生産量は西日本では第3位。野菜は,淡路島などのタマネギが全国3位(2010年),ほかにレタス・キャベツ・トマトなどの生産が多い。中央部の山地では但馬牛・神戸牛で知られた肉用牛の放牧がさかんだったが,近年は酪農や養鶏が中心となっている。
工業生産額は全国で5位(2009年)で,阪神工業地帯の尼崎市から神戸市にかけてや,加古川市・姫路市・赤穂市などの播磨工業地域では,機械・鉄鋼・造船などの重工業がさかんである。また,内陸部にも電子機器などの先端産業が進出している。
日本を代表する貿易港神戸港
江戸時代末期の開港以来,神戸港は,横浜港とならんで,日本を代表する貿易港として発展してきた。
1965年ごろ,海岸に施設をつくる余地がなくなった神戸市は,人工島をつくり,そこに大規模な港湾施設をつくることにした。それがポートアイランドと六甲アイランドで,ポートアイランドには,最新の港湾施設のほか,住宅・公園・病院・文化施設などもつくられ,海上文化都市となっている。六甲アイランドでも都市づくりが進んでいる。
神戸港は,現在,世界約130か国・地域,500もの港とむすばれている。自動車・穀物・青果物などの専用埠頭のほか,コンテナ船の増大に対応したコンテナ埠頭が多数あり,大型船200せき以上が同時に着岸できる。
1995(平成7)年1月の阪神・淡路大震災は港の施設にも大きな被害をあたえたが,わずか2年で復旧した。港の機能をいっそう高めるため,現在,海岸の埠頭の再開発やポートアイランドの拡大工事が進められている。