(1957〜2011)2001年のアメリカ同時多発テロをはじめとするさまざまなテロ事件を起こしたとされる組織アルカイダの指導者。本名は,ウサーマ・ビン・ムハンマド・ビン・アワド・ビンラーディン。サウジアラビアの大富豪の17番目の子どもとして生まれ,厳格なワッハーブ派のイスラム教育を受け,大学時代にムスリム同胞団に加入した。1979年,旧ソ連のアフガニスタン侵攻が起きると,ビンラディンは公式代表として派遣されてソ連軍と戦った。88年にペシャワールでアルカイダを組織し,90年帰還したが,91年に湾岸戦争が起きて親米の立場をとったサウジ王家に反発し,国外追放になる。96年,アフガニスタンで政権をにぎったイスラム原理主義組織タリバンに客人として迎えられた。以降,豊富な資金力を背景にゲリラ戦・テロ活動の訓練基地を設けて戦士を養成,世界各地でテロ活動を行ったといわれている。2001年11月,アメリカ同時多発テロの首謀者とみなされ,報復したアメリカ軍との戦争でタリバン政権が崩壊したのち,行方をくらましていたが,2011年5月,潜伏していたパキスタン国内でアメリカ軍の特殊部隊によって殺害された。