山の風下側にふきおりる,乾燥したあたたかい風。高い山を気流がのぼるとき,山頂までは冷却し,山をこえると昇温しながらふきおりてくる。水蒸気の凝結がおこらなければもとの気温になるだけだが,上昇して水蒸気が凝結すると,熱を放出するために,山をのぼるときは気温があまり下がらない。山頂に達するまでに,降水などによって水分がうしなわれていると下降気流は100mにつき約1℃の割合で昇温するので,その差だけ山の風下側は高温で乾燥する。風下側が低いほど,また山の風上で高温多湿で凝結量の多い南風であるほど,フェーンは顕著にあらわれる。フェーンは空気が乾燥し強い風をともなうために,大火をおこしやすい。◇もとは,アルプス山脈の北斜面にふきおりてくる,あたたかく乾燥した南風の名。
コーチ
フェーンは,日本では日本海
沿岸地域でおこることが多い。