県名の由来
黒田長政が博多の西に築城したさい,祖先の出身地備前(現在の岡山県)福岡の名をとって,城下町を福岡と名づけた。県庁所在地の福岡市の名に由来する。
県庁所在地
県の面積
県の人口
県の代表的な伝統工芸品と祭り
〔伝統工芸品〕
○博多織 ○久留米かすり ○小石原焼 ○博多人形 ○八女福島仏壇 ○上野焼
〔祭り〕
○博多祇園山笠(福岡市,7月1〜15日) ○鬼すべ・うそかえ(太宰府市,1月7日)
位置・地形・気候
福岡県は九州北部にあり,東は周防灘,北西は玄界灘,南は有明海に面し,関門トンネルと関門大橋で本州とむすばれている。福岡市を中心に同心円をかいてみると,韓国の釜山は鹿児島市や広島市と同じ距離にあり,中国の上海は東京と,北京は札幌とほぼ同じ距離にあることがわかる。福岡県は昔から大陸と深い関係があり,日本の西の玄関となってきた。
県の北東部から南西部には,中国山地からつづく筑紫山地が走り,脊振山地が佐賀県との境をつくっている。大分県との境にある英彦山からは遠賀川が下流に直方平野をつくって響灘に注ぎ,くじゅう連山・阿蘇山地に源をもつ筑後川は下流に筑紫平野をつくって有明海に注いでいる。
気候は温暖だが,冬は北西の季節風が強く,日本海側では雪がふることも多い。
歴史
現在の福岡県は,昔の筑前国と筑後国,さらに豊前国の一部をあわせた地域にあたる。奈良時代には,九州地方の統治と外交や防衛のための役所として大宰府がおかれ,九州地方の中心となった。
室町時代には,博多が大陸との貿易基地としてさかえた。江戸時代に筑前に福岡藩が成立し,明治になって,筑後の久留米藩などと合併して福岡県となった。また,商業の町博多と城下町福岡も合併して福岡市が成立。現在も駅名は「博多」で,博多人形・博多どんたくなど,伝統工芸品や祭りなどには博多の名のつくものが多い。
明治時代に筑豊炭田の開発が進み,北九州に官営の八幡製鉄所ができてからは,日本の重工業の先進地帯として発展した。しかし,石炭産業は1960年ごろの石油へのエネルギー革命によって衰退してしまった。
産業
農業は,筑紫平野の稲作が中心であるが,福岡市などの大消費地をひかえ,野菜や花の栽培,ニワトリの飼育などの近郊農業もさかんである。
工業では,かつては北九州工業地帯がさかえたが,鉄鋼業中心のため,工業地帯としての地位は低下し,現在は北九州工業地域とよばれる。しかし近年,自動車工場やIC工場などが進出し,かつての炭鉱町には工業団地もでき,発展してきている。
九州地方の中心福岡県
福岡県は,九州地方の政治・経済・文化の中心であり,鉄道や航空交通の要地でもある。とくに,福岡市と北九州市は九州全体の2大中心都市となっている。
福岡市には,九州全体をうけもつ国の役所や,企業・銀行などの支社・支店が数多く集まっている。商業もたいへんさかんで,福岡県の卸売り業の年間販売額は九州全体の60%近い。
大学も多く,九州の大学生の約半分が集まり,全国有数の地方紙である西日本新聞社や全国紙の総局,テレビ・ラジオ局などのマスコミ機関も福岡県に集中している。
また,福岡市には東海道・山陽新幹線の終着駅である博多駅があり,ここを起点に九州各地への鉄道網が広がっている。さらに福岡空港は九州の空の玄関として,東京や大阪など国内の主要都市とむすばれているほか,中国・韓国・シンガポールなど,アジア各国とも直行便でむすばれ,人々の行き来は年々さかんになっている。博多港と韓国の釜山港の間には定期船もある。