県名の由来
江戸時代にあった福島藩の名からとったもの。県庁も,1876(明治9)年に,福島藩の旧城下町福島に移された。
県庁所在地
県の面積
県の人口
県の代表的な伝統工芸品と祭り
〔伝統工芸品〕
○大堀相馬焼 ○会津塗
〔祭り〕
○相馬野馬追(相馬市・南相馬市など,7月23〜25日)
位置・地形・気候
福島県は東北地方の南部にあり,東は太平洋に面している。面積は北海道・岩手県についで広いが,山地が多く,大きな平野はない。
東部に阿武隈高地,中央部に奥羽山脈があり,その間に郡山盆地・福島盆地が南北にならぶ。西部に越後山脈があり,奥羽山脈との間に会津盆地と猪苗代盆地がある。
東北地方第2の長さをもつ阿武隈川は,栃木県境の山地から流れ出て北へ向かい,郡山盆地・福島盆地を通って宮城県に入り,太平洋に注ぐ。また,只見川・阿賀川などは会津盆地で阿賀野川と合流し,新潟県をへて日本海に注いでいる。
気候は,海岸ぞいは比較的温暖で,冬に晴天の多い太平洋側の気候,内陸部は夏と冬の気温差の大きい内陸性の気候だが,郡山・福島盆地は太平洋側,会津盆地は冬に雪の多い日本海側の気候の特色ももつ。
歴史
昔の陸奥国の最南部にあたる。古代にはみちのくの入り口にあたる交通の要地で,蝦夷対策のため白河関や勿来関がおかれていた。江戸時代には,親藩の会津藩・白河藩のほか,福島・二本松・平などに小藩がおかれ,それぞれの城下町がさかえた。
明治維新後,若松・福島・平の3県に統合されたのち,1876(明治9)年に3県が統合して,現在の福島県となった。明治時代には安積疏水が開かれ,また,常磐炭田は日本の工業の発展の基盤となった。
産業
農業生産額は全国11位(2009年),米を中心に野菜や果樹栽培・畜産もさかんである。会津盆地を中心とした米の生産量は全国4位(2010年),福島盆地を中心とするモモの生産量は山梨県についで2位(2010年)である。サヤインゲン・キュウリ・アスパラガスなど首都圏向けの野菜栽培も多い。畜産では肉用牛の飼育頭数が全国10位である(2011年)。
工業は,郡山市を中心に発展がめざましく,工業生産額は東北地方では第1位,東北全体の約3分の1をしめている。とくに郡山市・福島市・会津若松市・いわき市などで電気機器の工業がさかんで,生産額も多い。郡山市・いわき市では食料品や化学,福島市では食料品工業もさかんである。
首都圏へのエネルギー基地
福島県には,多数の水力・火力・原子力発電所があり,その電力の大部分は首都圏へ送られ,福島県は首都圏への大電力基地となっている。
福島県の奥只見と猪苗代湖に源をもつ阿賀野川は,16の支流をもつ大河である。流量の大きさではわが国最大で,本・支流に20以上のダムと多くの発電所があり,日本有数の電源河川となっている。おもな発電所としては,阿賀川上流の日本でも最大規模の出力をもつ下郷水力発電所や,新潟県境を北に流れて阿賀野川に合流する只見川流域の田子倉・奥只見発電所などがある。
また,海岸部には,新地・広野・勿来などの大出力の火力発電所のほかに,福島第一,第二の10基もの原子力発電所があり,若狭湾岸とならぶ原子力発電地帯であった。2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震による津波などが原因で,福島第一原子力発電所の原子炉から大量の放射性物質が放出される事故が起こった。2012年3月現在,事故の収束(廃炉)に向けた作業が続けられている。