（1927〜2022 ）第(だい）265代(だい）ローマ教皇(きょうこう）。本名(ほんみょう）ヨーゼフ＝ラツィンガー。ドイツ・バイエルン州(しゅう）の警察官(けいさつかん）の子(こ）に生(う）まれる。14歳(さい）でヒトラーユーゲントに加入(かにゅう）し，戦争補助(せんそうほじょ）活動(かつどう）に動員(どういん）される。第二次世界大戦(だいにじせかいたいせん）終戦(しゅうせん）後(ご），兄(あに）とともに神学校(しんがっこう）に入学(にゅうがく），1951年(ねん）に司祭(しさい）に叙任(じょにん）される。神学(しんがく）研究(けんきゅう）の道(みち）を歩(あゆ）み，53年(ねん）に神学博士(しんがくはかせ）号(ごう）取得(しゅとく），57年(ねん）から63年(ねん）までドイツの各(かく）大学(だいがく）で神学教授(しんがくきょうじゅ）をつとめる。77年(ねん），ミュンヘン・フライジングの大司教(だいしきょう）に任命(にんめい）され，枢機卿就任(すうききょうしゅうにん）。81年(ねん），ローマ教皇庁(きょうこうちょう）教理省長官(きょうりしょうちょうかん），2002年(ねん）に首席枢機卿(しゅせきすうききょう）。2005年(ねん）4月(がつ），ヨハネ・パウロ2世(せい）の死去(しきょ）にともない教皇(きょうこう）に選出(せんしゅつ）され，ベネディクト16世(せい）を名(な）のる。11世紀以来(せいきいらい）950年(ねん）ぶりのドイツ人(じん）の教皇(きょうこう）である。就任(しゅうにん）時(じ）は78歳(さい）。在任(ざいにん）8年間(ねんかん）中(ちゅう）にはイスラム圏(けん）との摩擦(まさつ），16世紀以来(せいきいらい）のイギリス公式訪問(こうしきほうもん）などがあったほか，各国聖職者(かっこくせいしょくしゃ）の性的虐待(せいてきぎゃくたい），バチカンの機密(きみつ）文書漏洩(ぶんしょろうえい），バチカン銀行(ぎんこう）のマネーロンダリングなど多(おお）くの難題(なんだい）をかかえることにもなった。2013年(ねん）2月(がつ），高齢(こうれい）と健康(けんこう）問題(もんだい）を理由(りゆう）に退位(たいい）。存命(ぞんめい）中(ちゅう）の教皇退位(きょうこうたいい）は約(やく）600年(ねん）ぶりのことである。