旧ユーゴスラビアが解体した後の内戦。1992年3月にボスニア・ヘルツェゴビナは独立を宣言し,5月に国連に加盟した。ところが,国内でクロアチア人とセルビア人,それにイスラム教を信奉するモスレム人の3勢力が対立し,抗争をつづけた。国連はこの抗争を沈静化するために国連保護軍などを派遣したが失敗,1995年アメリカが仲裁に入り停戦が合意された。1996年には大統領選があり,イスラム教徒の代表の大統領が元首となった。1995年以来NATO(北大西洋条約機構)軍が統治していたが,2004年末で終了。ひきつづきEU軍が統治。2007年1月にセルビア人の大統領が元首となった。しかし民族紛争の火種は消えてはいない。