道名の由来:1869(明治2)年,開拓使をおいたとき,古代以来の東海道,南海道,北陸道などの区分にならって北海道とした。蝦夷地を踏査した松浦武四郎の建議による。
道庁所在地
道の面積
道の人口
道の代表的な伝統工芸品と祭り
〔伝統工芸品〕
○指定なし
〔祭り〕
○阿寒湖まりも祭り(釧路市阿寒町,10月8〜10日) ○松前さくら祭り(松前町,4月28日〜5月下旬) ○札幌雪祭り(札幌市,2月上旬) ○オロチョンの火祭り(網走市,10月上旬)
位置・地形・気候
北海道の広さは日本全体の約5分の1をしめる。ほぼ中央部に北海道の屋根といわれる石狩山地があり,その北に北見山地,南に日高山脈,西に天塩山地と夕張山地が南北にほぼ平行して走っている。石狩山地から東には,雌阿寒岳・斜里岳・羅臼岳などがつらなる。
石狩山地から流れ出した石狩川は上流に上川盆地,下流に石狩平野をつくって日本海に注ぎ,十勝川は下流に十勝平野をつくって太平洋に注ぐ。また北見山地の天塩岳から流れ出した天塩川は,上流に名寄盆地,下流に天塩平野をつくって日本海に注ぐ。
西部の渡島半島には,羊蹄山・有珠山などの火山と支笏湖・洞爺湖などの湖がある。
気候は,全体に,冬は長くて寒さがきびしく,夏は短く,すずしい。
歴史
北海道は古来,アイヌ民族が住む土地で,蝦夷地とよばれていた。和人(日本人)が蝦夷地に渡るようになったのは室町時代の終わりごろからで,江戸時代には道南地方に松前藩がおかれ,アイヌ民族との交易を行って利益をあげていた。
明治になって,政府はこの地を北海道と名づけて,開拓と北方の警備を目的に屯田兵を送りこみ,本格的な開発を始め,炭鉱・鉱山の開発や鉄道の建設も進めた。
産業
広い土地を利用して大規模な機械化農業が行われ,農業生産額は全国1位(2009年)である。米の生産量は全国2位(2010年)で,ジャガイモをはじめとする畑作物,牛乳などの畜産物も,全国1位のものが数多い。生産額が最も大きいのは畜産物で,全体の約52%(2009年)をしめる。稲作は石狩平野や上川盆地,畑作は十勝平野,酪農は根釧台地が中心である。
エゾマツ・トドマツなどの天然林が多く,素材生産量は全国1位(2010年)である。
漁獲量も全国1位(2009年)で,とくにサケ・マス,ヒラメ,カレイ,サンマなどの漁獲量が多い。釧路港や稚内港は日本有数の水揚げ量をもつ漁港である。
工業は,農水産物を原料とした食料品工業が中心で,ほかに,札幌市のコンピュータソフト開発などの先端産業,苫小牧市の製紙・パルプ,室蘭市の鉄鋼業など。
日本の食料基地
北海道の耕地面積は約116万haで,全国の4分の1近くをしめる。農家1戸あたりの耕地面積も26ha以上あり,都府県平均の2.2haの12倍(2010年)。広い耕地を使った大規模な農業で,農産物を大量に生産している。
生産量が全国2位の米は,かつては本州米とくらべて評価が低かったが,品種改良で味もよくなり,「きらら397」などの銘柄米の人気も高い。畑作物では,テンサイは全国の生産量の100%,アズキ88.7%・ジャガイモ76.6%,小麦61.2%・タマネギ55.2%・カボチャ48.1%・トウモロコシ45.6%をしめている。ダイズ・ニンジンの生産量も全国1位である(2010年)。
畜産の規模も大きく,農家1戸あたり肉用牛は約179頭,乳用牛は約110頭を飼っており,生乳の生産量は全国の約50%をしめる(2009年)。生乳は,飲用牛乳としてのほか,多くがバターやチーズなどの加工用として大手の乳業メーカーに出荷される。
このように,北海道の農産物は日本人の食生活に大きな地位をしめており,北海道は日本最大の食料基地となっている。