ほんかどり【本歌取り】 和歌や連歌(れんが)で,よく知られている古歌(本歌)の言葉や趣向(しゅこう)をかりて新しい歌をつくること。この技巧(ぎこう)は,『新古今和歌集(しんこきんわかしゅう)』の時代にとくに愛用(あいよう)された。◇たとえば,藤原定家(ふじわらのていか)は『万葉集(まんようしゅう)』にある「苦しくも降(ふ)りくる雨か三輪(みわ)の崎(さき) 狭野(さの)の渡(わたり)に家もあらなくに」を本歌にとって,「駒(こま)とめて袖打(そでう)ち払ふ蔭(はらうかげ)もなし 佐野(さの)の渡(わたり)の雪の夕暮(ゆうぐれ)」とよんだ。