環境保護や反核(反原発),平和,女性解放などを旗じるしに参加民主主義を目ざす政治運動・政党。1980年代に旧西ドイツではじまった政治運動で,エコロジーを旗じるしに市民運動家や若者の支持を集め,1983年にはドイツ連邦議会に,86年には欧州議会に議席を獲得した。運動はヨーロッパ全体に広まり,ドイツやフランスでは政権与党と連携,政権入りもはたしている。その後,ドイツの緑の党が中心となり,世界90か国の緑の党で国際組織「グローバル・グリーンズ」がつくられている。ただし,緑の党といっても各国事情はさまざまで,たとえば本家のドイツ緑の党にしても環境保護を第一にかかげる原理主義の人びとがある一方,政権入りを目ざすエコロジカルな立場の現実路線の人びともあるというように必ずしも一枚岩ではないのが現状である。◇日本でも1990年代から「緑の党」にならったいくつかの政治運動・市民運動が行われてきたが,2012(平成24)年7月,原発全廃を目ざし地方議員約70人で日本版「緑の党」が発足し,グローバル・グリーンズに加盟した。