(1928〜 )軍人・政治家,エジプトの元大統領。ミヌフィーヤ県の小地主の家に生まれる。1948年の第1次中東戦争をきっかけに士官学校に進み,空軍士官学校教官を経て,第2次〜第4次中東戦争に従軍。この間,空軍大将,参謀長,空軍元帥に昇進。第4次中東戦争では国民的英雄になった。1975年,サダト大統領に信頼され副大統領に就任。81年,大統領暗殺をうけて後継の大統領に就任。親米・親イスラエル政策をとり,エジプトを中東の調整役・盟主的な存在に高め,30年にわたる安定政権を維持した。一方で非常事態宣言のもと強権政治をしき,政権の腐敗,国民の貧富の格差の固定化など民衆には不満がくすぶっていた。2011年1月,チュニジアのジャスミン革命をきっかけに国民の不満が爆発,デモ・暴動が激化するなか軍部も離反し,2月に退陣に追いこまれた。