**もとおりのりなが【本居宣長】 (1730〜1801)江戸(えど)時代中期の国学者。伊勢(いせ)国(三重(みえ)県)松阪(まつさか)の人。号は鈴屋(すずのや)。はじめ医学を学び,のち国学にうちこんだ。賀茂真淵(かものまぶち)から『古事記(こじき)』の研究をすすめられ,三十数年かけて『古事記伝(こじきでん)』44巻(かん)をあらわした。また,『源氏物語(げんじものがたり)』の底流(ていりゅう)にあるものは「もののあは(わ)れ」であると説(と)いた。『玉(たま)の小櫛(おぐし)』や,『玉勝間(たまかつま)』などの随筆(ずいひつ)も有名。→古事記伝(こじきでん)コーチ 古典(こてん)研究を通じて宣長(のりなが)は,日本の古代精神(せいしん)のすぐれていることを強調し,復古(ふっこ)思想を説(と)いて国学の基礎(きそ)をかためた。