*モーパッサン(ギ=ド=) (1850〜1893)フランスの小説(しょうせつ)家。フロベールについて文学を学んだ。1880年『脂肪(しぼう)の塊(かたまり)』を発表して名を高め,その後,精神(せいしん)を病(や)んで死ぬまでの間に300以上(いじょう)の短編小説(たんぺんしょうせつ)や,長編小説(ちょうへんしょうせつ)『女の一生』『ピエールとジャン』『ベラミ』など,多くの作品を書いた。◇その作風は簡潔(かんけつ)な表現(ひょうげん)と,するどい現実観察(げんじつかんさつ)にあり,ノルマンディーの農民(のうみん)や漁民(ぎょみん),都会の市民(しみん)・労働(ろうどう)者,パリの社交界の女性(じょせい)たちなどの生き方を通して,人生の悲哀(ひあい)と不条理(ふじょうり)をあますところなくえぐりだし,自然主義(しぜんしゅぎ)文学の頂点(ちょうてん)を示(しめ)すものとされた。