(1622〜1673)フランスの喜劇作家。パリの商家に生まれ,大学で弁護士の資格をとったが,演劇に夢中になって一座をつくった。のちルイ14世の庇護を得て多くの傑作を発表,フランス古典喜劇の創始者となった。『人間嫌い』『守銭奴』『女学者』『タルチュフ』などが知られる。◇モリエールの作品には,偽善者(善人らしくよそおう人)・学者ぶる人・へぼ医者・守銭奴(欲ばり)などの人物が登場するが,かれはこれら自然と真実にそむく者はこっけいで,笑いの対象となるべきだという立場から,かれらに辛らつな批判をくわえた。