(1913〜2009)昭和・平成時代の俳優。大阪府に生まれる。1936(昭和11)年,大学を中退し喜劇劇団に入るが,日中戦争がはじまって39年にNHK(日本放送協会)に入り,アナウンサーとして旧満州(中国東北部)に渡る。50年にラジオ番組「愉快な仲間」で注目を浴び,52年の映画「三等重役」,55年の「夫婦善哉」で喜劇役者として人気を博す。渋いユーモアをたたえた演技派として高い評価を受け,その後,多くのシリーズ映画,テレビドラマに出演した。「屋根の上のヴァイオリン弾き」などの舞台劇でも活躍。ラジオドラマや朗読にも定評があり,「知床旅情」など独特の歌声と節回しの歌は「森繁節」といわれて人気があった。1991(平成3)年,文化勲章受章。没後に国民栄誉賞の授与が決定した。