(1834〜1896)ビクトリア朝時代のデザイナー。イギリスの裕福な家庭に生まれ,産業革命のさなか機械化による大量生産に反対し,家具・ステンドグラス・金工品・装身具・壁紙などの手工業生産を専門とする会社をおこす。芸術の概念を生活のあらゆる局面にまで広げ,芸術と生活を統一的にとらえようとした。この考えは,後のアール=ヌーボーの芸術運動に多大な影響をあたえた。ロンドンのセント=ジェイムズ宮殿の武器室とタピスリー室,ビクトリア=アンド=アルバート美術館のグリーン=ダイニングルームの装飾はかれの理念にもとづいて,かれの会社が請けおったもの。◇晩年は印刷製本の仕事に没頭した。