(1920〜2012)昭和・平成時代の女優。京都市生まれ。いとこの嵐寛寿郎の縁で14歳で映画に出演。1941(昭和16)年,歌手を目ざし上京,歌謡ショーの前座,軍の慰問団などを経験。終戦後は結核を病み,ようやく1952年に復帰,喜劇女優として関西で舞台出演を続けていたが脇役だった。58年,東宝の重役で劇作家の菊田一夫に見出され上京,61年,41歳で舞台「放浪記」の主役に抜てきされた。以来,2009(平成21)年まで2017回主演をつとめた。舞台の代表作にはほかに「おもろい女」もある。テレビドラマでも明るい「お母さん」役をつとめ,1970年にはじまった「時間ですよ」では銭湯のおかみさん役として国民的な人気を博した。1961年に「放浪記」で芸術祭文部大臣賞,2009年には国民栄誉賞を受賞。