県名の由来:山形県は他県との境はすべて山である。山形の地名は,野方・里方に対する山方からきたといわれ,山のふもとの意味である。
県庁所在地
県の面積
県の人口
県の代表的な伝統工芸品と祭り
〔伝統工芸品〕
○置賜つむぎ ○山形鋳物 ○山形仏壇
〔祭り〕
○羽黒山松例祭(鶴岡市羽黒町,12月31日〜1月1日)
位置・地形・気候
山形県は東北地方の南西部に位置し,県の北西部は日本海に面している。
東部には奥羽山脈が南北に走り,中央部には出羽山地・朝日山地がつらなり,南部の飯豊山地は福島県との境をなす。奥羽山脈と出羽・朝日山地との間には,米沢・山形・新庄などの盆地がある。東北第2の流域面積をもつ最上川は,福島県境から流れ出てこれらの盆地をつくり,下流で庄内平野をつくって,日本海に注いでいる。
気候は,冬に雪の多い日本海側の気候であるが,日本海に面した庄内地方では雪はあまり多くはない。内陸部は寒さがきびしく,雪も多い。一方,夏は比較的気温が高く,晴れの日も多い。
歴史
昔の出羽国の南部にあたる。古くはアイヌ民族の居住地だったが,7世紀中ごろの阿倍比羅夫の遠征を経て出羽国がおかれた。平安時代後期以降,清原氏,奥州藤原氏,安達氏などが支配,室町時代以降は最上氏が勢力を広げ,戦国時代末には,ほぼ山形の全域を統一した。
江戸時代には,庄内藩(酒井氏),新庄藩(戸沢氏),米沢藩(上杉氏)ほか,多くの小藩がおかれた。最上川の水運が発達し,川舟によって流域の米や紅花などの農産物が河口の酒田まで運ばれ,酒田からさらに,廻船で京都や大阪などへ送られて,酒田は日本海岸有数の港町としてさかえた。
産業
農業は,庄内平野の稲作と内陸部の盆地での果樹栽培が中心である。庄内平野は日本を代表する米どころであり,山形県の米の生産量は全国5位となっている(2010年)。果樹栽培は,内陸の盆地でさかんで,サクランボ(2009年)・西洋ナシ(2010年)の1位をはじめ,ブドウ・リンゴ・モモなどの生産が多い。畜産では肉牛の米沢牛が有名である。
工業は,東北自動車道や山形自動車道などの高速道路網の発達にともなって,山形市・新庄市・鶴岡市などに工業団地が形成され,電子・電気機器などの機械工業が立地している。山形市・酒田市・天童市などでは,食料品工業や木材工業もさかんである。
1992(平成4)年に開業した山形新幹線は,1999年に新庄市まで延長された。
果樹王国,山形県
山形県は日本有数の果樹生産県である。全国生産量の約4分の3をしめるサクランボを筆頭に,西洋ナシも全国1位,ブドウは3位,リンゴは4位,モモは5位の生産量をあげている(サクランボ2009年,ほか2010年)。
果樹は,おもに,水はけや日あたりのよい山の斜面で栽培される。とくに山形盆地は,夏に高温になり,雨が少なく,昼と夜の気温差が大きく,風も弱いので,果樹栽培にたいへん向いている。とくに開花期の霜の害と収穫期の雨による実割れをおこすサクランボには,山形盆地の気候はたいへん有利で,山形県を今日のようなサクランボ王国にした。農家の多くは,サクランボと他のくだものを組み合わせて育てている。
サクランボは同じ品種の花粉では実をつけないので,風やハチによる受粉にくわえて,毛ばたきを使って受粉させる。また,日光を反射させて色づきをよくしたり収穫を早めたりするために,木の根元に銀色のビニルシートをしいたり,実割れをふせぐために収穫期に樹上に雨よけテントをかけたりする。