県名の由来:ヤマナシを多く産出したからとか,甲府盆地の山のない地形から,山無し→山梨となったなどの説がある。県庁が山梨郡におかれたことから県名となった。
県庁所在地
県の面積
県の人口
県の代表的な伝統工芸品と祭り
〔伝統工芸品〕
○甲州水晶貴石細工 ○甲州印伝
〔祭り〕
○天津司舞(甲府市,4月10日近くの日曜)
位置・地形・気候
山梨県は,中部地方の南東部に位置する内陸県である。
西部は,駒ヶ岳・北岳(白根山)など3000m級の山々がそびえる赤石山脈,北部から東部にかけては八ケ岳や秩父山地,南部は富士山と丹沢山地というように,周囲をぐるりと山地でかこまれている。
北側の山地からは釜無川・笛吹川などが中央部の甲府盆地に流れこみ,盆地周辺の山すそにたくさんの扇状地をつくっている。盆地を流れる川は次々に合流して富士川となり,静岡県富士市付近で駿河湾に注ぐ。
気候は,甲府盆地では,夏はむし暑く冬は寒い内陸型の気候であるが,八ケ岳や富士山などの山すそは,冬の寒さがきびしく夏もすずしい高冷地気候である。
歴史
昔は甲斐国といった。鎌倉時代,室町時代を通じて武田氏が守護として支配,戦国時代には信玄が出て勢力を拡大したが,子の勝頼の時に織田信長にほろぼされた。
江戸時代には,甲府藩(甲斐府中藩)がおかれたが,江戸に近い重要地で,金山もあったので,しばしば幕府直轄地となり,1724年以降は完全に直轄地となった。
明治になって,山梨県となり,甲府に県庁がおかれた。
産業
耕地面積は,中部地方では最も少なく,しかも水田はその約4分の1で,稲作はさかんではない。かわりに,長い日照時間と,水はけのよい扇状地や山の斜面を利用した,ブドウ・モモなどの果樹栽培がさかんである。果実の生産額は,農業全体の約62%をしめる(2009年)。また,八ケ岳山ろくでは,高原野菜の栽培がさかんである。
工業は,交通網の整備が進んだ結果,首都圏とむすびついて,大月市・甲府市・韮崎市などを中心に電子関連工業が発展している。忍野村には全国一の生産をほこるロボット工場がある。富士吉田市や大月市では,甲斐絹の伝統をもつ繊維工業がある。歴史の古い水晶・宝石の研磨業や,印章業もさかんである。
富士五湖・赤石山脈などのゆたかな自然や,甲府盆地のブドウ狩りなどの観光も,県の重要な産業となっている。
ブドウづくりのさかんな甲府盆地
山梨県は果樹栽培がさかんで,ブドウは全国の生産量の24%,モモは35%,スモモは32%をしめ,いずれも全国1位である(2010年)。ほかにも,サクランボ・リンゴ・カキ・ウメなどが栽培されている。
甲府盆地のブドウ栽培の歴史は古く,平安時代にさかのぼるといわれる。松尾芭蕉が「勝沼や馬子もぶどうを食いながら」とよんでいるが,すでに江戸時代には生産がさかんになっていたと思われる。
昔は「甲州」という品種の生産がほとんどだったが,最近では「デラウェア」や「巨峰」が多い。「甲斐路」「ピオーネ」などの高級種もふえている。ハウス栽培もさかんに行われるようになり,デラウェアなどは,5月ごろから10月ごろまで,長い期間出荷されるようになっている。
甲府盆地では,ブドウを原料とするワインづくりもさかんである。いまではワイン工場はおよそ90もあり,その生産量は全国の約36%をしめる。