自然の生態系をみだし,人間の健康などに害をおよぼす物質。物質の害はある条件におかれたときにあらわれることが多い。自然界に存在する物質でも,人間の活動などによって濃度が高くなれば有害になる可能性がある。人間が合成した多数の化学物質は,これまで自然界にはほとんど存在せず,生物にとって未知の環境を意味し,有害となる可能性がある。ダイオキシンやプルトニウムはその例である。自然界に放出された有害化学物質は大気や陸水・海水,土壌中など広く環境の中に分散し,生態系に影響をあたえ,ある種のものは食物連鎖を通して生物体内に蓄積し濃縮されて有害性が発現する。水俣病などがその例である。